2010 年 7 月 のアーカイブ
つきぬき忍冬
2010 年 7 月 14 日 水曜日 花 つきぬき忍冬
花器 籠掛け花入れ
忍冬唐草は日本の古代の仏教美術の文様に始まって
金工品、漆芸品、染色品と古代から近代まで幅広く
愛され、使われ続けております。
この木は大変繁殖力が強く、年ごとに花をたくさん
付けます。
この故に古代から、繁栄、繁殖を願って文様として
愛され続けておるのでしょうか。
私はこの花を観るたびに、亡き母の優しい顔を思い
出します。
まだ母が丈夫な頃、年に1~2回私の家に遊びに来
ておりました。
その時もそぼ降る天気でしたが、母と二人、家の周
りを散歩している時でした。よその家の塀に沿って
このつきぬき忍冬の花がびっしりと満開に垂れ下が
っておりました。
それを観た母の顔は満面の笑みで何と美しいでしょ
うと暫く花を見上げてそこに佇んでおりました。
私はその時まで、その花の名前を知りませんでした
ので、なんという名前と聞きましたら つきぬき忍冬
だよと優しい声で教えてくれました。
薊、白桔梗
2010 年 7 月 5 日 月曜日 花 薊、白桔梗
花器 籠花活け
あざみの歌
作詞 横井 弘
作曲 八洲 秀章
昭和24年
1 山には山の 愁い有り
海には海の 悲しみや
まして心の 花ぞのに
咲きし薊の 花ならば
2 高嶺の百合の それよりも
秘めたる夢を ひとすじに
くれない燃ゆる その姿
あざみに深き わが想い
3 いとしき花よ 汝はあざみ
こころの花よ 汝はあざみ
さだめの径は はてなくも
香れよせめて わが胸に
あざみの歌を歌いながら、この歌詞を書いておりますと、
若き青雲の志を持って日々過ごしておりました頃をおも
いだし、胸がきゅんとなります。
あざみは可憐な花を咲かせますが、それを手折ろうと
しますと堅い棘にはばまれます。
「美しい花には棘が有る」と言われますが、人も物も
同じ様な傾向が有るようにおもいます。